こんにちは、渡邉です。

6月28日の配信では、IT・リーガルをご専門とされている実務翻訳者 Aiko Yoshinari さんに様々なお話をうかがいました。

前半でリーガル翻訳の概要をお話しいただいき、後半では近頃の翻訳カフェでしばしば議題となっている、持続可能性という観点からリーガル翻訳について語ってくださいました。

リーガル翻訳とは

リーガル翻訳と聞くと、契約書などを思い浮かべがちですが、実際には多岐にわたる文書を翻訳されているようです。裁判資料から、ウェブサービスの利用規約の翻訳など、まったく異なる種類の翻訳を同時期に行うこともあるそうです。

また、先週も話題になった「翻訳者(通訳者)の責任」についても触れていただきました。契約書に限って言えば、作成者が海外文書を扱うことに慣れているかどうかによっても翻訳者の責任の範囲も変わるようです。

さらに、EMT (European Master’s Translation)に鑑みて、リーガル翻訳に必要なコンピテンスについてもお話しいただきました。

リーガル翻訳独特の表現や表記などをご紹介いただいた上で、法学について知っていたからこそ理解できることがあるとおっしゃっていました。やはり、翻訳学校では学べない専門知識をつけることは重要だそうです。

そんな Aiko さんから、これからリーガル翻訳者を目指す人へのメッセージは「ダブルメジャーをしておくと翻訳はもっと楽しくなる」ということでした。

また、近年リーガル翻訳の分野での機械翻訳やポストエディットの現状についても触れていただきました。

他にも、これからリーガル翻訳者を目指す人、すでにリーガル翻訳のお仕事をされている人、翻訳全般にかかわる人にとって有益なお話をたくさんしていただいたので、ご興味おありの方はぜひアーカイブをご視聴ください。

他には山田先生から、現代において、言葉は個人に依存すぎているという話がありました。しかしながら、法律についての文書は個人で解釈が変わってはならないため、みんなが共通して認識できる「ギリギリの共通性」を定義できるように考えられた言葉であり、非常に科学的な言葉である、とのことです。

この辺りについてもご興味おありの方はぜひアーカイブへ!

来週の配信

来週(7/5 21:00~)は再び山田先生がメインスピーカーを務めます。

今回のディスカッションタイムで話題となった、機械翻訳のポストエディットばかりをしていると翻訳者の筆が汚れてしまうのか?といった点や、その他様々なことについて語っていただく予定です。

ディスカッションの時間も設けますので、ふるってご参加ください!