こんにちは、岡村です。

第19回配信では、機械翻訳が実装される社会の問題について山田先生にお話していただきました。機械翻訳は社会で広く使用され始めていますが、その現状で私たちが抱えている課題を共有してくださいました。
今回はディスカッションのお時間を長めに取りましたが、皆さまの積極的なご参加のおかげで議論が盛り上がりました。ありがとうざいました!

責任の所在

はじめに、山田先生から機械翻訳を使用した際の責任の所在について、法廷通訳を例にお話ししていただきました。

裁判が被告人の母語以外で行われる場合、被告人には通訳を雇う権利があるのです。その通訳に、機械翻訳を導入することが検討され始めているそうです。ただ、法廷通訳では、故意的にかなり文脈に依存する言語使用がなされる(曖昧な表現が使われる)ことがあるため、機械が正確に通訳をすることは難しいと予測されています。つまり、誤訳する可能性が高いということです。では、機械翻訳が誤訳したために冤罪が生まれてしまったら、誰が責任を取るのでしょうか?そもそも、人間の通訳者が誤訳した場合の責任は通訳者が取るのでしょうか?

この点に関しては、機械や人間という問題ではなく、社会全体として責任に関する制度が整っていないことに問題があるとおっしゃっていました。

ディスカッション

以上を踏まえ、次の2点を中心的にディスカッションしました。

・フリーランスの方々は責任問題をどうお考えなのか?実際にどのような契約を結んでいるのか?
・結局、機械翻訳の責任は誰が取るべきなのか?

まず、話題として上がったことは、法的な問題が起こった際には契約書が絶対的な力を持つということです。そのような話の中で、責任問題などによる損害からフリーランスの方々を守るためのフリーランス保険なるものが存在するとご紹介いただきました。業界を問わず、フリーランスであれば入会できるようなので、フリーランスの方は必見です!(参考:https://lp.freelance-jp.org/benefitguide/

機械翻訳の責任については、関係者で分担されるべきだろうというのが総意でした。「責任」という言葉からはネガティブな印象を受けるかもしれませんが、付加価値とも考えられるのではないか、といったご意見もあり、非常に多面的にディスカッションを行うことができました。
この点は今回の配信の争点でもあるので、ぜひ詳細はアーカイブでご覧ください☺️

個人的には、フリーランス保険が存在するということは、裏を返せば、実際に個人が責任を負うケースがそれなりにあるのだと改めて感じました。仕事には責任が付き物ですが、不当に責任を押しつけられないように、契約を結ぶ際は十分に気をつけていきたいものです。今回は、普段ならなかなか踏み込めないようなトピックについて皆さまのご意見をお伺いすることができ、大変勉強になりました。知識や意見を共有してくださり、ありがとうございました!

次回の配信

次回の配信は、7/26 21:00~ 久しぶりにゲストをお招きします!
ゲストは、自然言語処理をご専門とし、機械翻訳の開発に携わられている中澤敏明さんです。詳しくは、こちらの告知記事をご覧ください。

ディスカッションのお時間も設けますので、ぜひ一緒に語り合いましょう!
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皆さまのご参加、お待ちしております☺︎