英語教育で言われる明瞭性(intelligibility)と翻訳品質のレベルを考える

『日本人学習者の目指す明瞭性(intelligibility)の高い英語発音とは』(山根2015)
「明瞭性」とは、英語の学習者が目指すゴールとも言える。ネイティブのように英語を話せるようになるのではなく、国際語として英語を使う人たちの間で、問題なく(明瞭性高く)コミュニケーションできるような英語を話せるようになるという考え方だ。

https://www.kansai-u.ac.jp/fl/publication/pdf_department/13/129yamane.pdf

問題は、英語への翻訳の場合だ。そこで目指すべき英語のレベルである。それは、「ネイティブ話者(ロケールも加味して)」に向けなければならないのか、それともELF的、そして「明瞭性」の高い翻訳を目指せばよいのか。

明瞭性という考え方は、発音に関する音声学で発展した概念であるが、書き言葉に関する「明瞭性」や翻訳の明瞭性を議論した先行研究か、全くないわけではない。

ということで、今回は、「翻訳の明瞭性」について考えてみる。