この回の翻訳カフェでは、漢字を中心とした辞書編纂家であり、12ヵ国語を話せる多言語話者でもある春遍雀來さんをゲストにお迎えして、漢字および日本語の言語としての魅力、多言語を修得するとはどういうことか、そして辞書編纂という仕事についてお話をうかがいます。予定している主な話題は以下のとおりです。

  • 春遍雀來さんにとって漢字および日本語の言語としての魅力とは何か?
  • 漢字という文字の体系をどのようなものとして把握しているか?
  • 多言語を学び続けるそのモチーフは何か?言語のどこに魅力を感じるか?
  • どのような学習を実践すれば多言語を修得できるか?特殊な才能が必要か?
  • ライフワークである『漢字学習辞典シリーズ』の発刊状況と発刊予定
  • 一冊の辞書を編纂する営みとはどのようなものか?その辛さと歓びとは?
登壇者プロフィール:

春遍雀來(ハルペン・ジャック)さん(日中韓辭典研究所)

ドイツ生まれのユダヤ人。イスラエル、フランス、ブラジル、 アメリカ、日本の6カ国に移り住み、英・日・ヘブライ・イディッシュ・葡・西・独・中を始めとする18カ国語を習得した。イスラエルのキブツで出会った「漢字」に魅了され、漢字の謎を解くべく家族と共に 1973年に来日。以来日本に在住し現在に至る。その間に漢字を体系的に学ぶ方法を考案し、編集チームと共に16年を費やして外国人向けに『新漢英字典』(研究社)や『講談社漢英学習字典』を編纂。国内外で数多くの講演、論文発表、執筆活動を行う一方、趣味である一輪車の普及にも貢献し、日本一輪車協会の常務理事を務めた他、国際一輪車連盟の創設者でもある。
現在は各種言語データの提供等、言語の編纂と運用に携わる傍ら、外国人のための漢字学習法等の講義(通算700 回)や、日本語や中国語での弁論大会や日本語教育学会にも積極的に参加。
『漢字学習辞典シリーズ』は本人にとって生涯を懸けた漢字文化紹介の集大成である。