「翻訳の仕事は減っている」という声を耳にする一方で、日本社会が必要とする言語サービスの総量は、かつてとは比べものにならないほど拡大しつつあります。それなのに、なぜ翻訳業界はその恩恵を実感できないのか。

今回の情勢把握編では、この問いを正面から取り上げます。複数の公的統計を横断的に読み解き、「日本の言語需要の実像」を多角的に描き出すことを試みます。

統計から浮かび上がるもの

在留外国人、留学生、訪日観光客、コンテンツ輸出――。それぞれの分野で何が起きているかを示す公的データは、実は驚くほど豊富に存在します。ただし、それらは縦割りの統計として別々に公表されており、言語需要という観点で横断的に読み解いた資料はほとんどありません。

今回はそれらを「言語需要」という一本の軸で串刺しにして、翻訳カフェなりの読み解きを試みます。複数の統計を重ねると、従来の翻訳産業の地図には描かれていなかった需要の姿が浮かび上がってきます。

こんな方にお勧めです

言語市場の変化を統計から把握し、自分の仕事の位置づけを確かめたい方

翻訳以外の言語サービスへの展開を模索している方

情報収集の方法や公的統計の読み方を学びたい方

情勢把握編の「目利き力を養う」という趣旨に共感する方

グローバルな動向を伝える海外メディアの視点と、国内の公的統計が示す実像――両方の解像度を上げながら、私たちの「立ち位置」を一緒に確かめましょう。