皆さん、こんにちは。今回の翻訳カフェはアカデミア回、テーマは「翻訳プロセスにおけるポーズ」です。
スピーカーは運営の溝脇です。

翻訳研究では、翻訳の品質を測るあるいは翻訳者の戦略を知るために、原文と訳文のテクスト情報や、その訳文を生み出すタイピングのデータが非常に重要です。
一方で、翻訳者がタイピング以外の活動を行なっている時間 ——何かを考えたり、テクストを読んだり、情報を検索したりする「ポーズ」の時間—— も、翻訳者の作業プロセスを理解する上で重要な意味を持ちます。なぜなら、この時間は作業者の認知処理に深く関わっていると考えられているからです。

例えば、翻訳学習者とプロ翻訳者の間でポーズの取り方にはどんな違いがあるでしょうか。また、ポーズ中の作業に違いはあるでしょうか。

今回は、これまでの翻訳プロセス研究の中でもポーズに関する研究をまとめ、翻訳者がキーボードから手を離している時間の思考プロセスについて探ってみたいと思います。


スピーカープロフィール:溝脇孝哲。立教大学 異文化コミュニケーション研究科 博士後期課程在籍。修士(関西大学外国語教育学研究科通訳翻訳学領域)。フリーランス翻訳者 兼 翻訳研究者として翻訳に関わっている。研究の興味は翻訳プロセス。