字幕翻訳をする際の問題は色々とあります。MT+PE(ポストエディット)を用いる場合でも、それらとの相性が悪く、他の分野ほど技術の応用が進んでいない気がします。その原因はいくつか考えられますが、字幕翻訳に固有の主な要因として、以下の2つが挙げられます。

  • ハコ書きの制限がある
    これにより、どのセグメントで文を分割するかという問題が生じます。太田直子さんによれば、ハコ書きは翻訳よりも重要な作業であり、訳者のセンスが問われることになるそうです(2013年『字幕屋のニホンゴ渡世奮闘記』より)。
  • 字数制限がある
    これにより、原文すべてを訳出できないという制約がかかり、編集や圧縮が求められます。柴田元幸氏によれば、字幕翻訳は翻訳ではないとのことです(出典は忘れてしまいました。ご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください)。

ということで、今回の翻訳カフェでは、上記の問題を認識した上で、ChatGPTに指示を出せば、ある程度問題を克服できるのではないかという試みの途中経過をお伝えします。