こんにちは、岡村です。
第17回配信では、山田先生が翻訳コンピテンスとその習得についてお話しくださいました。それについて、参加者の皆さま同士のディスカッションの時間を設けました。
積極的にご参加くださった皆さま、ありがとうございました!
今回の配信は、第15回、16回のお話を前提としていますので、ぜひそちらのアーカイブもご覧ください。
経験主義 v.s. 系統主義
配信を振り返るにあたって、皆さまにひとつ質問です。
翻訳のコアコンピテンスは経験から習得できるものでしょうか?
それとも、知識から習得することができるのでしょうか?
簡単に言うと、前者を経験主義、後者を系統主義と呼ぶそうです。
近年では、アクティブラーニングという言葉が特に外国語学習において一世を風靡し、コミュニケーションスキル(話す聞く)が重視されてきました。つまり、経験主義の傾向が強いことが見受けられます。
ですが、それ以前の外国語学習では、文法などの知識を学ぶことに重きが置かれていました。昔は系統主義が強かったと考えられます。このように、主義というのは時代によって変わるようです。
では、翻訳はどうでしょうか?
ディスカッション:翻訳は経験主義?系統主義?
この問題について、大きくわけて3つの視点からディスカッションを行うこととなりました。
・翻訳発注者(一般ユーザのニーズ)
・翻訳学習者
・翻訳者
「発注する際に基準とされるのは経験であることが多い」という意見や、「経験を積んでから理論を学んだからどちらの大切さもわかるし、それぞれに異なる大切さがあると思う」というようなご意見をいただきました。
以上を踏まえて、私が感じたことを勝手ながら共有してみます。
翻訳者さんの系統主義の部分(ご自身のコンピテンス)を言語化して教えていただけるなら、学習者にとってこれほどありがたいことはありません。つまり、翻訳者さんたちが「翻訳の教え方」を知っていることが重要なのかもしれないと思いました。そうすれば、翻訳者の方々も伝え方で迷うことなく、素晴らしいコンピテンスを次世代に継承でき、持続可能に近づくことが期待できるのではないでしょうか。
簡単には答えの出ない問いなのですが、皆さまはどう思われますか?
ぜひ考えてみてください☺︎
ご参加の皆さまのおかげで、今回のディスカッションも盛り上がりました!
改めて、ありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。
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そして、様々なご意見お聞かせください。